カーテンの汀

カーテンの汀

おお、羊飼いが吹く笛の音は遠くまで響いてやばいね、出川のようにやばいねやばいよ——そう彼は、やばいとしかいいようがないほど朗らかに笛を吹く、すると呼ばれたように冬の太陽が重たい雲間からしずかに顔を出す、それは誰が見ても北風のことなんか忘れ去ってしまった季節の眩しい眩しい太陽だった、(と今でこそ思えるのだが)

その逆光が、浅はかな交換条件として送り合ったテーブル上のカカオ豆の賄賂に降りそそぎ、木目の乱れた傷跡をうまくごまかしながら、徐々に影が、影がちらちらと伸びたり縮んだりして台の半分以上を占拠してしまうのを、粉薬の白さのようにうまく飲み込めずにいるまま、見つめていた

脈拍が

やけに

落ち着いている

今日みたいな日はレースのカーテンもきちんとあけて、すぐにでも夜の中に消えてしまいそうな寒々しい景色を目に焼き付けるのだが、なんというか、そうやって決意すればするほど、この視界は霞んでしまい、ああ、この目こそ揺らぎっぱなしの、生地の長いカーテンだった、と錯覚していた

 

余らせたカーテンの生地に汀めく窓からわずかな温度まぶしい